緊急事態宣言中の家族間トラブル

※掲載している事例はこれまで受けた相談を元に創作した内容です

■相談内容

夫は数店舗のチェーン居酒屋本部の社員で、その中の一つの店の店長をしています。
でも、この新型コロナウィルスの影響で店が閉まり、時々本部に出社するものの、家にいることが増えました。私も勤務先店舗が閉まり、自宅待機で家にいることが増えました。
高校生と小学生の子供がいますが、子供たちも休校で家にいます。夜遅くまでゲームをしたり、ルールを作ろうとしても聞いてくれず、ゴロゴロしています。2DKのアパートで広い家ではなく、これまで4人が一度に一緒にいる時間はあまりなかったから毎日息が詰まりそうです。
少し前まで近所に散歩などしていたのですが、近所に感染者が出たという話があり、出かけるのも怖くて、家にいるようになりました。
夫と話すと些細なことで喧嘩になります。言い合いになると夫は黙ってしまう方なのですが、最近は大声を上げて怒鳴ったり、物を投げることも増えてきました。お酒も飲み過ぎなくらい飲んでいます。家の中がギスギスしていてどうしたらいいかわかりません。何かいいアドバイスはありませんでしょうか。

■内部のメンバー同士の意見交換(一部)
この内容は相談者には伝わっていません。「・」一つが1人のメンバーのコメントです。

・相談者も夫も、子どもさんお二人も大変な状況をがんばってStayHomeしている様子が伝わってきます。夫も仕事に出られないストレス、自宅で家族4人密集しているストレス、妻が「文句」言うストレスがたまっている様子ですね。子どもたちも学校に行けず友だちにも会えずスポーツもできずストレスがたまって、(在宅学習に向き合えず)ゴロゴロしたりゲームにいそしんでいるのでしょう。相談者も、新型コロナウイルス感染のリスク、家族が密集して生活して、(自分の)思い通りにならないストレスが溜まってきていて、3人に強い口調でいろいろ言っていることが予想されます。以下のように分析しみました。
(1)自宅内の生活様式をコロナ前の通常の状況に戻す →難しいでしょう。
では、状況と折り合って、ギスギスのレベルを下げる方法として
(2)夫や子ども二人を(相談者の)「思い通り」の生活にしてもらえるか →難しそうです。
(3)自分の捉え方を変える →ちょっと不安な方のようですが ・・。
(3-1)別のことに集中する(気にしないようにする)
a)自宅スペース内でDKの端など、自分だけの小さなスペースを陣取って何かする
b)外出の機会を設ける(早朝とか、夜も含めて) 
(3-2)いっそのこと、相手に合わせる(a子どもにゲームに混ぜてもらう、b時々は夫と一緒に付き合って(飲めたら)飲んじゃう)     
 
(4)家族ないしは夫婦で、少し前向きな方向に話し合う、悩み・ストレスを共有する、寛容な方向に生活様式を変える、というのが良いでしょうが、可能なのかどうかがわかりにくいのと、文面からちょっとハードルが高そうな雰囲気です。

・そもそも、何故ゲームをやめさせたいか、何故ギスギスしているのか(2DK内で大声でやりあったり、物が飛び交ったらギスギスしますが)、家族4人いると何故「息が詰まりそう」なのか。コロナ前から、ギスギスの火種(ゲームの長時間プレイや、休日などの昼飲み)はあって、それが膨らんだ、ということかも。そうであるならば、ますます「自分が逃げる」選択肢しかなさそうな気がします。

・ご夫婦と、もう身体も大きくなっている二人の子どもが2DKのアパートに四六時中いるという状況では、物理的にも心理的にもストレスが大きくなることは必須であるといえると思います。その中でのストレス緩和には、ご自身もおっしゃっているとおりその場を離れる(外出する)ことかと思います。通常の感染予防を行い三密を避けた外出は行動自粛の中でも行われていることと思います。もしかしたら、夫が飲食店の責任者であることから、気遣いが高まっているのかなと思いました。その場を離れることが難しいときには、何か集中して取り組めることをみつけるのもよいかと思います。料理や手芸、あるいはパソコンで何か書いてみるなど、家の中にいてもひとりでできることを見つけることで心理的にその場を離れる時間をもつことになると思います。ジクソーパズルなど子どもと一緒にできること、大掃除など家族で分担することも日課に取り入れてもいいかもしれません。自分のストレスの緩和方法は自分で見つけて行動するのが最も成果があると思います。そのうえで、同じようにストレスを抱えている家族を気遣うことも考えたいと思います。特に夫は、言葉が多くないようです。もしかしたら、自分のストレスを上手に言葉にしたり、相談したりすることが苦手かもしれません。それを無理に言葉にして伝えてもらおうとするとかえってストレスになるかもしれません。

・夫の飲酒もはじめは息抜きのためだったのでしょうが、いまや険悪な家庭の雰囲気から逃れるために行なっているのではないかと想像します。お子さんのゲームも同様かもしれません。
1つは相談者自身の避難場所やストレス解消の手段を持つことで、短期的な効果を狙いたいです。もう1つは、家庭内のコミュニケーションを変えていく方法です。コロナ禍により、「当たり前」だったことがそうでなくなってきていますので、互いに「当たり前」という言葉でなく「ありがとう」という言葉を向けあえるといいなと思いました。まずは小さな変化から起こしていきましょう。

・お子さんのことを見直した。とか、今しかできないことに取り組めて良い時間となっているという話も聴きます。家族の貴重な時間、良い思い出となるようなお手伝いができるといいですね。料理も教えるのは手間ですが、今日は父さんの好きなもの、次はお子さんのなど、それぞれの好きな物を一緒に作ると楽しくなるし、おいしいと言ってもらうことで料理への関心が増すかもしれません。トイレ・お風呂・洗面台など、誰が一番きれいにできるか競争を我が家はしました。一石二鳥で楽しかったですよ。
まずは、相談者が自宅でやったら楽しいことは何か?を考えてみることが良いのではないかなと思います。お母さんが楽しそうに過ごしていたら、お子さんも夫も様子が変わってくる気がします。相談者は、相手をコントロールできないストレスがあるように感じました。考え方の癖でイライラが増すのであれば、感染に気をつけつつ外に出る方が良いかもしれませんね。

■回答メール

担当のワークライフコンサルタントのAと申します。
新型コロナウィルスは私達の仕事にも生活にも多くの影響を与えていますが、「4人が一度に一緒にいる時間はあまりなかった」生活から、全員が家にいる時間が多い生活になったのですね。その中で「毎日息が詰まりそう」と感じ、「家の中がギスギス」しているとのこと。ご家族での在宅生活の日々が物理的にも精神的にも大変である様子だと受け止めました。どうしたらよいのか、一緒に考えてまいりましょう。

①ご家族一人ひとりの頑張りに目を向ける
お子様の休校が3月中旬頃からだったと想定しますと、既に2か月近くの期間を、ご家族それぞれが新型コロナウィルスの感染予防を意識し、“Stay Home”で頑張ってこられたのではないかと思います。お子様達は、本来であれば楽しい春休みやゴールデンウィークに外出を控えなければならず、新年度を学校という場で迎えられない、友人とも会えない状況の中で、多くの我慢をしていることでしょう。

店長という責任ある立場のご主人様は、営業自粛の中で会社や部下のことなどに常に気に掛けながら、家庭では、ご家族と過ごす時間が増えて生活時間そのものが変化していることにも戸惑いがあるのかもしれません。普段は黙ってしまうタイプのご主人様が、大声で怒鳴ったり、物を投げたり、お酒を飲みすぎているのは、言葉では上手く表せない思いが行動として出ていると考えることもできます。

ご自身もまた、自宅待機の中で、家族全員での在宅生活をなんとか上手くできないかと考えて頑張られているのだと思います。ルールを作ろうとしたこと、少し前まで散歩に出かけられていたことなどは、ご家族のことを考えての試みだったのではないかと拝察いたしました。以前のWOLIへのご相談からも、ご家族のことを大切に考えて日々を過ごされていることが伝わってきます。だからこそ、今のギスギスした状況がより辛く感じられるのかもしれません。

ご家族のことを大切に思う気持ちはそのままに、まずは、この2か月間のご家族一人ひとりの頑張りに目を向けてみることはいかがでしょうか。ゴロゴロしたり何もしていないようでも、4人がそれぞれ頑張っています。常時一緒に過ごしていると、できていない点や細かいことが、つい目に入りがちです。一方で、お互いのいいところや新たな一面が見られているかもしれません。ちょっとしたことでも素直に「ありがとう」「いいね」「頑張っているよね」と言葉に出してご家族に伝えてみるのも良いでしょう。言葉にしなくとも、ご家族のいいところやご自身の頑張りを自分の中で認めてあげるだけで、気持ちが少し楽になることと思います。

②ご自身の「自分時間」を作ってみる
「息が詰まりそう」と感じたときには、ご家族と意図的に少し距離をおき、ご自身が息抜きをすることも大切です。ご自宅の中で自分だけの空間を持つことは難しいかもしれませんが、何か集中して取り組む「自分時間」を一日の中で作ってみてはいかがでしょうか。趣味に没頭する、本を読む、ヘッドホンをして音楽や動画を楽しむなど、自分のために好きなことをする時間です。この機会に新しいことに挑戦してみても良いでしょう。一人でコーヒーやお茶などを飲んで一息ほっとする時間を確保するだけでも、気持ちのリフレッシュになります。

また、今は外出を控えているとのこと。身近なところでのコロナの感染の話を聞くと外出は怖く感じられますよね。ただ、マスクを着用し、3蜜を避け、身体的距離を確保しながら、帰宅時には手・顔を洗うなどの「基本的感染対策」をとった上であれば、少しずつ外に出られても問題ないと思います。

「基本的感染対策」についての詳細は以下の厚生労働省のページにございます。
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000627771.jpg

周囲に人が少ない時間帯(早朝など)に散歩を再開したり、日用品のお買い物の帰りに少しだけ遠回りして散歩兼ねてみたり、ぜひ気分転換をしてみてください。

③ご家族と楽しみながら様々なことを共有する
上のお子様は高校生ということもあり、ご家族が全員揃って過ごす時間は将来的に徐々に減っていくことと思います。今はコロナの影響で全員が家にいて大変ではありますが、少し長い目で見ると、ご家族で過ごすことができる貴重な時間として考えることができます。

家族の仕事や学校が休みになると、毎食の準備や掃除などいつも以上に家事に時間が取られていると思いますが、家事もご家族と楽しみながら共有してみましょう。WOLIメンバーの中には、家の中の掃除する場所を分担して、誰が一番きれいにできるか、家族と楽しみながら競争したという話も聞きました。
また、多少手間がかかるかもしれませんが、ご家族と一緒に料理すると、食事がより一層美味しく感じられると思います。時期的には、梅や杏を漬けて、お子様とは夏バテ予防のジュース(シロップ)を、お酒を飲まれる旦那様とは果実酒を作るのも一案です。

他にも小さい植物を育てて成長の過程を見たり、パズルを作るなどご自宅で共有できる楽しみには様々なものがあります。お子様と一緒にゲームをしたりゴロゴロしてしまうなど、お互いのしていることを体験しても良いと思います。
既に取り組まれたものもあるかもしれませんが、少しでもご参考になれば幸いです。

今回の回答は以上となります。今回のご提案を少しずつ取り入れていただきながら、ご家族皆様が健康的に過ごしていかれることを心より願っております。