ひどい肩こりの改善方法

※掲載している事例はこれまで受けた相談を元に創作した内容です

■相談内容

肩こりがひどくて悩んでいます。自分でもいろいろと調べて、運動したりなど日常的に実践してはいますが、実は血圧が高めです。血圧が高いのと肩こりは関係があるのでしょうか。
肩こりなのでマッサージや整形外科を受診したほうがいいのかを主治医に聞いてみましたが、内科の主治医に聞いたらどちらでもいいようにあしらわれてしまい、はっきりとは言ってもらえませんでした。
マッサージは数ヶ月前に数回試したことはありますが、その時は気持ち良くてもまた同じ繰り返しで、このまま続けていいのかわからなくて辞めた経緯もあります。ただ、それも近くの店にたまたま利用しただけです。今後、体操したりしても辛い時は、どのようなところに行ったらいいのか、迷っています。
よろしければアドバイスください。

■内部のメンバー同士の意見交換(一部)
この内容は相談者には伝わっていません。「・」一つが1人のメンバーのコメントです。

・血圧で内科に受診しているとのこと。血圧が高く交感神経が優位になっていると血管が収縮し血行不良となり肩こりをきたしていることも考えられます。高血圧による症状としては肩こりの他、後頚部の痛みや重さなどが特徴的ですので血圧の管理がうまくできていない場合は現在の症状の原因として考えられると思います。今後、激しい頭痛や嘔吐などがあれば緊急性のある症状の可能性がありますのでかかりつけ医の受診を必要とします。

・それ以外の首や肩の骨が原因の肩こり痛としては、頚椎症や椎間板ヘルニアなどの首や背中の病気の症状として、痛みが現れていることがあります。頸椎症の場合、症状が進むと後頭部の痛みや手足の重圧感、脱力感、マヒなどの症状が現れます。これらを除外するためにも整形の受診はお勧めできます。「椎間板ヘルニア」の場合は、首を後ろに反らすと激しい痛みが生じます。また背中や腕、指先にもしびれや重圧感といった症状が現れます。

■回答メール

ご相談を担当するワークライフコンサルタントのAと申します。
肩こりがひどく、ご自身でも運動するなど対策はしているが、もしかしたら血圧が高めということと関係があるのかどうか、また整形外科と内科のどちらを受診したらいいかというご相談と受け取りました。血圧が高めということですので、肩こりだけでなく、疾患にも焦点を当ててお伝えします。
まず最初に、下記の症状があるかどうかご確認ください。

①運動をしたとき(例えば階段を上るとき)に肩が痛む(狭心症の可能性)
②首や肩を動かしていないのに痛む
③手のしびれや麻痺を伴う
④徐々に症状がひどくなる

上記は、危険な肩こりといわれている症状で、これらが見受けられたらすぐに受診することが必要です。

①②の症状や肩こり以外の症状がある場合は、第一選択として内科を受診することをお勧めします。
血圧も肩こりに関係しており、血圧が高く交感神経が優位になっていると血管が収縮し、血行不良から肩こりになります。血圧が高めと気にしておられますので、その点からも内科を受診し、血圧を改善することで肩こりの症状が緩和しないかを確かめてみて下さい。

受診する際のポイントは、隠れ高血圧の可能性も考え、二の腕できちんと測れる血圧計で朝晩と、夜中に起きたときの血圧を測定し、記録したものを持参してください。一日の血圧の変動が分かり、内科医も正確な診断が可能となります。
次に③の症状ですが、これは頚椎症や椎間板ヘルニアなど、首や肩の神経・血管が圧迫されて引き起こされる症状です。特に、頚椎症は、症状が進むと後頭部の痛みの症状も現れます。
前回のメールで「後頭部に軽い鈍痛のような頭痛が出ることもある」とお話をされていたので、一度、これらの疾患を除外するためにも、整形外科の受診をお勧めいたします。内科と整形外科の受診の順番ですが、③の症状がない場合は、内科からの受診となります。
また、上記の疾患以外にも、肩こりを引き起こす疾患はいくつもあります。下記のサイトを参考にして、他に疑われる疾患がないかも検討をしてみて下さい。

「こんな場合は要注意!肩こりが起こる病気」
https://www.ohara-ch.co.jp/meitantei/vol08_2.html

ただ、病院を受診し、様々な検査をしても、肩こりの原因が見つからない場合もあります。そのような場合には、症状を緩和させる対処療法が中心となり、日常の症状緩和の方法と、医療機関で受ける治療になります。 日常の方法で改善が見られないようですので、医療機関での対処療法も検討されるとよいと思います。

整形外科やペインクリニックでは、下記のような治療を受けることができますのでご紹介いたします。
●薬物療法
痛み止めや筋肉のこわばりを抑える薬が処方されます。病院によっては、ビタミン剤や漢方が処方されることもあります。

●装具療法
首の痛みが強いときに、首が動かないようにカラー(コルセット)を巻く治療法です。

●理学療法
首からの肩こりに対し、機械で首を引っ張る牽引療法や首や肩に超短波を当てて温める温熱療法があります。

●神経ブロック
肩こりの症状が強い箇所、または肩こりの原因と考えられる箇所の神経やその周辺に、注射で麻酔薬やステロイドホルモンを打ち、痛みやこりをとる治療法です。

肩こりといえどもひどくなれば仕事や日常生活に支障が生じ、また、肩こりの裏に他の疾患が隠れている可能性もあります。
このまま放置することなく、ぜひ医療機関の診断を受けてみて下さい。現在の肩こりに適した方法が見つかり、症状が緩和していくことを願っております。

回答は以上となります。
他にも気になる症状等がありましたら、いつでもご相談ください。