リモートワーク中の部下との関わり方

※掲載している事例はこれまで受けた相談を元に創作した内容です

■相談内容

リモートワークと出社の両方をしています。30代の女性の部下が、最近出社の時に遅刻が増えたり表情に覇気がないようにも感じます。リモートで会議の時にも発言が少ないです。体調やプライベートの問題など抱えているのかもしれませんがやはり突っ込んだところは聞きにくく、ましてや女性には特に聞きにくいです。どのようにして、どのように切り出せばいいのかアドバイスをください。 

また、リモートでこれまでよりもわかりにくいのですが、ちょっとしたことでのメンタル不調のサインも教えてください。

■内部のメンバー同士の意見交換(一部)
この内容は相談者には伝わっていません。「・」一つが1人のメンバーのコメントです。

・メンタル不調のサインと呼ばれるものには、次のようなものがありますね。
  *服装が乱れてきた
  *感情の変化が激しくなった
  *表情が暗くなった
  *一人になりたがる
  *不満、トラブルが増えた
  *独り言が増えた
  *遅刻や休みが増えた
  *ぼんやりしていることが多い
  *ミスや物忘れが多い
確かに、上司の男性が部下の女性に色々聞こうとするのは躊躇いがあるかもしれません。相談者の方は切り出し方に迷われていますが、さらにどのように話を聞いていけば良いかも悩まれているかもしれませんね。悩みがあったとして、それを相談されるかどうかは部下の方次第です。上司としてできる事は、心理的安全性を確保するように努め、「もし悩みがあれば何でも話してみてほしい。口外しないから」と伝えることだと思います。よくやってしまいがちなのは、「悩み」について解決しなければいけないと思ってしまうことです。しかし解決されなかったとしても、親身になって話を聞いてくれる上司がいることは心強いことですし、そのように伝えるだけでも気持ちが軽くなることも期待できると思います。

・昨今、ハラスメントと思われるのを恐れて大切なコミュニケーションができない方が多くなってきているように思います。部下が心配である自分に自信を持って、「最近何かある?」「思い過ごしなら良いのだけれど、何かあるならいつでも相談してね」などとさり気なく聴いてみたらいかがでしょう。その投げ掛けに対する部下の反応からも、新たに見えてくるものがあるかもしれません。

・女性に話しかけづらいということであれば、チーム内の女性同士が相談し合えるような雰囲気をつくったり、チームを超えてサポートをお願いできるような女性を見つけておくこともできるかと思いました。

・上司として、事例性と疾病性のうち、「事例性」の把握をする役割があります。部下の「いつもと違う様子」にはすでに気づいているようです。「事例性」に基づいてコミュニケーションを取る事は、部下も抵抗なく会話できるのではないでしょうか。 相談より、「遅刻が増えたり」とあるので、その部分について「このところ遅刻が何回か見受けられるようだが、どうかしましたか?」など。 そこから、もしかして遅刻している理由を聞くことができるかもしれません。その理由を聞いたうえで、短時間勤務にするなど可能な部分を対応することが考えられると思いました。

■回答メール

この度はWOLIをご利用いただきまして、ありがとうございます。担当のワークライフコンサルタントのAと申します。
「不調と見られる部下に対して、どのように話を切り出したらよいか」、また「メンタル不調のサイン」についてのご相談と理解いたしました。
部下の様子をしっかり見られており、不調でありそうな様子を気にかけ、向き合おうとされている気持ちが伝わってまいりました。
まず、メンタル不調のサインですが、周囲の人が気づきやすい変化として、具体的に次のような点が挙げられます。
・服装が乱れてきた
・表情が暗くなった
・不満、トラブルが増えた
・遅刻や休みが増えた
・ぼんやりしていることが多い
・ミスや物忘れが多い など
その他のサインにつきましては、厚生労働省HP「みんなのメンタルヘルス」が参考になりますので、下記にご紹介します。
https://www.mhlw.go.jp/kokoro/first/first03_1.html

部下についても、「出社の時に遅刻が増えた」「表情に覇気がない」ということで、上記に当てはまると感じていらっしゃるかもしれません。ただ、そのような変化が見られる=メンタル不調であると断定することはできず、実際の調子、抱えているかもしれない問題、考えや悩みなど、本当のところは部下にしかわからないと言えます。
その場合、上司としては、部下が仕事を進める上での問題点(例:遅刻や欠勤が多い、ミスが増えた等)に着目し、本人が十分にパフォーマンスを発揮できなくなっているようであれば、何が起こっているのかを把握して、対応策を考えることが重要です。C様が感じていらっしゃる部下の変化や問題点について少しでも状況が把握できるよう、部下とのコミュニケーション方法を以下でお伝えいたします。

●日常的な声掛け
出社の際、日常的な会話の中で声掛けをすることが一つの方法です。具体的には、「最近何かある?」「何かあるならば、いつでも相談してね」「皆に聞いているのだけれど、リモートワークで困っていることはない?」等です。特に業務に関する声掛けであれば、突っ込んで聞かれているという印象を与えることもなく、切り出しやすいと考えます。
こうした声掛けに対する部下の反応から、新たに見えてくる様子があるかもしれません。その場では反応がないとしても、「気にかけているよ」「心配しているよ」と意思を持って伝える一言一言の積み重ねは、部下にもその思いが伝わることと思います。継続的な声掛けによって「上司が自分を見てくれている」という部下の安心感が高まり、話しやすい環境づくりの一助となるでしょう。
また、リモートワークでは何気ない声掛けや雑談が難しく、リモート会議での発言は苦手と感じる人もいます。この点からも、リモートワークで低下しやすいコミュニケーション量を少し補う気持ちで、出社時の声掛けを意識していただくことをおすすめいたします。

●1on1ミーティング
既にご存じかもしれませんが、持続的・継続的に部下の状況を知るための方法として、1on1ミーティングがあります。1対1での対話を通じて、部下の話に耳を傾け、情報収集やアドバイスを行います。短時間でも構いませんので、部下を側面支援し、相互理解する時間として、定期的に対話の機会を設けてみてはいかがでしょうか。

1on1は、業務の目標や成果を確認する面談とは異なり、上司が仕事からプライベートまで部下の話を聞き続けることで、信頼関係を構築することを目的とします。そのため、部下を主役とし、話しやすい雰囲気を作り、上司は聞き役になるという姿勢が大切です。まずは、最近の様子、困っていること、仕事への思いなど、部下の話を丁寧に「聴いて」みてください。

明らかに見受けられる「仕事を進める上での問題点」については、対話の中で、事例をベースにして部下へ質問してみると良いでしょう。「このところ出社時の遅刻が増えているようだけれど、何かありましたか?」「リモート会議では発言が少ないように感じますが、何か困っていますか?」と聞いてみると、部下も理由や事情を話しやすくなるかもしれません。その上で、どのようにすれば良いかについて部下と一緒に考え、側面的にサポートしていくことが望ましいです。
以上2つの方法をお伝えしましたが、その他にも、部下が女性の方ということで話を切り出しにくいということであれば、チーム内の女性同士で相談し合えるような雰囲気や環境を作る、サポートをお願いできるような女性を見つけておく、部下と仲の良さそうなメンバーに様子を聞いてみてもらうといった方法も考えられますので、よろしかったら参考にしてみてください。