実母と甥の将来について

相談内容

田舎の母親のことが心配で、どうしたらいいのか分かりません。
私が生まれ育ったのは、福島県の農村です。夫と結婚して大阪に住むようになってから、なかなか田舎に帰省することはできず、子どもが小さい頃は年に1回程度でしたが、今では数年に一度行ければいい方です。

田舎の母親は、83才で、25才の孫とふたり暮らしです。
私の兄が農業を継いでいたのですが、10年前に不幸な事故で、奥さんとともに亡くなってしまいました。
頼りにしていた長男と嫁を亡くしたあと落ち込んだ母親は、しばらく家から出たがらず、家事と農作業をして暮らしています。白内障と神経の持病があって、定期的な通院が必要ですが、村では1日に3本しかバスがないため、苦労しています。25才の孫は本当なら頼りになるはずなのですが、発達障害があるのか、10代で両親を亡くしたショックなのか、当てにならず、仕事もほとんどせずに、アニメやゲームばかりして、親の残した財産で暮らしています。

私の母がつくった料理を「まずくて食えない」と投げつけ、通院や買物の手伝いもせず、食材や米がなくて、うどんばかり3日も食べていたこともあると、母が泣きながら電話をかけてきました。
誰に相談していいのかわからず、こちらに書いております。
地元では名の通った大農家だったのに、すっかり落ちぶれて、村の人に顔を合わせることもできません。
すぐに噂になるので、村の人には話せません。

アドバイスをお願いいたします。

回答メール

遠方に住む高齢のお母様のこと、拝読して、私も心が痛みました。さぞご心配のことと存じます。少しでもお力になれたらと思い、回答をして参ります。

まず、この事実を先山様ご自身の目で確かめて頂くことが大事であると考えられます。ひとつの事実を、お母様の主観的な目から見た局面と、お孫様の主観的な目から見た局面は異なる可能性があります。近いうちに、お母様のご様子を客観的な目で見にゆかれることをお勧めいたします。それに併せまして、想定される事実から考えられる見通しと段取りを以下に書かせて頂きます。

①事実関係を客観的に見る。
②お母様の気持ちと今後の希望を訊く。
③必要な支援窓口に相談にゆく。

まずは①の事実関係を客観的に見るについてですが、お母様が言っていることが本当であれば、高齢者虐待になるかどうか、というところです。お孫さんの年齢が25歳であることからも、 高齢者の方について、どう接したら、お世話をしたらいいのか分からない。あるいは関心が無いのか。
お孫さんがお母様の金銭を無心しているのか。いろんなことが考えられますが、緊急度や事実関係を確認しましょう。
叔母としてお孫さんと話が出来る関係なのであれば、お孫さんからも近況を訊いてみてはいかがでしょうか。

次に②のお母様の気持ちと今後の希望を訊くについて、ある程度客観的に事実がどうであるかを判断したら、お母様の気持ちを聴きましょう。
このままお孫さんと自宅で生活したいのか、老人ホームへの入所をしたいのか。
もしかしたら「どうしたらいいか解らない」とお答えになるかもしれません。その場合「どこで」というよりも、「どんな生活をした いか」の方が、答えやすいかもしれません。
焦らず地道に、お母様の気持ちを引き出してあげて下さい。

最後に③の必要な支援窓口に相談について、お母様のお住いの地域にある「地域包括支援センター」に相談してみましょう。
高齢者向けの相談窓口になり、電話、来所、必要に応じて自宅訪問をします。

可能なら先山様が立ち会われる方がよいでしょう。
地域包括支援センターでは電話も受けますので、自宅のある大阪からの問い合わせなど、その後も継続して相談することができます。

福島県の地域包括支援センター
https://www.pref.fukushima.lg.jp/sec/21025c/tiikihoukatsusiennsenntajouhou.html

また、25歳のお孫さんですが、「サポートステーション」という相談窓口があります。
精神保健福祉士が相談対応を行い、若者の就労を支援してくれます。これもお孫さんが「就労したいかどうか」の気持ちに寄り添いつつ進めてゆくとよいかもしれません。

ふくしま若者サポートステーション
http://www.fukusapo.org/fuku_sapo.html

あと、文面に発達障害の文字がありましたが、確定診断がなされるまでは、先入観を持たない方がよいと思います。
発達障害とは認知機能の偏りによって生じるもので、対人関係や社会的スキルを身に付けることが苦手なことが多いようです。
診断には精神科での検査が必要です。
診断をすることの意義は、お孫さんの「生きづらさ」の要因を探り、生活上必要な支援とは何であるのかを分析出来ること、医療診断がつくことで 使用可能な制度やサービスが明確になること等です。

お孫さんの場合は文面から、発達障害の診断がつくのかどうかは何とも言えません。
ただ、ひとつ言えるのはお孫さんにとって心を開くことが出来て、これからの生活に助言、指導をしてもらえる人の存在が必要であることは想定されます。

発達障害情報・支援センター
http://www.rehab.go.jp/ddis/

遠方にお住いのお母様の気持ちが少しでも軽くなりますように願っております。
もしすぐにお母様の実家に伺うことが困難でありましたら、電話で地域包括支援センターに相談し、お母様の様子を見に行ってもらうことも可能です。

進展がありましたら、または何かご不明な点がありましたらいつでもメールして下さい。

 

<相談者からの返答>
返信恐れ入ります。あれから母の実家に帰ってみましたら、部屋は雑然とし、カーテンも閉め切り、母は痩せていましたが、身の回りのことはなんとか出来ていました。
ただ孫の方は夜中コンビニに行く以外はほとんど自室に鍵をかけて閉じこもっていて、私とは話をしてくれません。
私一人の手には負えないことが分かりましたので、地域包括支援センターに電話して相談してみます。
ありがとうございました。

 

<担当者からの返信>
ご返信ありがとうございます。娘様が駆けつけてきて下さり、お母様はご安心なさったことでしょう。
お母様がお孫さんを育てていた関係から、年月が過ぎ、そろそろ世代交代の時期が来ているのかもしれませんね。
成人したお孫さんが自立して暮らしてゆくために、決してお母様1人で、また1人で抱え込まず、いろいろな支援者の力を借りて前に進めて頂きたいと存じます。