娘の進学費用について

※掲載している事例はこれまで受けた相談を元に創作した内容です

相談内容

浜田と申します。初めての相談でどのように書いていいのか迷いますが、これからの生活について相談させてください。
私は主人と結婚して20年以上が経ちます。ひとり娘は高校二年生です。
主人は60才の自営業で、設計の下請けのような仕事をしています。このところあまり稼げておらず、ここ数年は家に月々5万円を入れるのが精一杯です。

私は、子供が小学校高学年になってから事務職として働き、なるべく家計の助けになるように働いてきました。

でも、月収で手取り20万円くらいにしかならず、生活が苦しいです。現在、娘は公立高校で授業料は免除されていますが、アルバイトは禁止されており、お小遣いや塾、諸々の費用で月々5万円程度は掛かっています。

家は古い2DKのアパートで、家賃は7万円で借りられていますが、水道光熱費や保険料などを入れると10万円以上かかります。夫婦で月収25万円程度のところ、アパートの家賃や水道光熱費、娘の養育費、食費や諸々を入れると いつも赤字になります。娘は大学に行きたいと言っています。奨学金もありますが、それだけですべての費用は賄えそうもありません。

娘の入学のために150万円ほどの学資保険は掛けていますが私立に行けば1年目の入学金と学費分くらいにしかならないでしょう。

夫の体もこの先どうなるのか、もっと稼げるようになるとは年齢的にも体力的にも期待できません。

娘の進学は諦めさせるべきなのでしょうか。
私も、今の給料を上げられそうもありません。それよりも、私自身もいつまで体力が持つのか不安もあります。
1年半後には娘も受験を迎えます。その前にこの秋には進路指導があり、三者面談などでこの先の進路を学校の先生と話し合わなくてはならず、どう話したらいいのか困っています。

お金の相談のようになりましたが、そのことと共に、今の私たち夫婦の状況が娘に申し訳なく、
でも学びたいことがある娘を進学させてあげたいという気持ちもあり、
どのように考えていけばいいのか、何かアドバイスをいただければ嬉しいです。
よろしくお願いします。

回答メール

この度はご相談をよせていただき、ありがとうございます。
私がメールを読ませていただく中で感じたこととして、仕事をこなす毎日の中で家事をこなし、ご主人様の体調を気遣い、
お嬢様の夢も応援したい。そんな芯の強く、無心なまでに家族を守る太陽のような母親像を想像いたしました。

ご相談内容ですが
①約2年後のお嬢さまの進学にかかる出費を想定した場合、先々の生活維持に不安がある。
②お嬢様は大学に行きたいという希望がある。
この相反する状況をどう捉えていけばよいか、ということですね。

まずは現状、そしてこれからの生活維持に関して福祉の制度が利用できるかどうかを検討されてはいかがでしょう。下記にいくつか、お役に立ちそうな制度をご紹介させて頂きます。詳細につきましては、○○区社会福祉協議会と○○区役所に電話し、案内される窓口をたずねて相談されるとよいかと思います。

・生活困窮者自立支援制度(○○区役所が窓口):
生活が厳しい等、生活全般についての相談を受けています。

・受験生チャレンジ支援貸付事業:東京都の事業です。
一定要件で、受験料や学習塾受講料の貸付けを行っています。

・生活福祉資金(○○区社会福祉協議会が窓口):
所得の少ない世帯等に資金の貸付を行っています。

もうひとつ、ご主人様の老齢年金を繰り上げ受給するという方法もあります。ただ、自営業のご主人様であれば国民年金ですので、65歳で65000円程が、60歳で支給開始とすると70%の45000円程となります。
これは、上記生活相談を受ける際、この方法が適切かどうかをアドバイスして頂く方が良いでしょう。

次に、お嬢様やご主人様と、今後の生活について話し合いをされることが必要かと思います。

17歳というとまだまだ子供だと捉えるか、もう大人の仲間入りとするか、意見の分かれるところですが、大学を卒業する頃は20歳を過ぎています。大学に行く目的、勉強したいこと、そしてそれは大学で、今でなければならないのか。
短大や専門学校で学び、現場で実践してからの大学進学という手段は模索できないか。どうしても大学で勉強したいのであれば、家計維持との折り合いの中、アルバイトと勉学を両立させていく覚悟はあるのか。

大人になるということは、学校で学ぶ学問と、社会で生きてゆく力を身につける、両輪が伴うものであり、お嬢様にはその学びの時が きたと、考えてみてはいかがでしょうか。

それは決して進学を「諦める」ことではなく、人生設計を立てていく、ということです。
浜田様がお嬢様に申し訳ないという気持ちを持っていることはいつかきっと、お嬢様に伝わると思います。

眠ると穏やかに静まり、目が覚めると当たり前に明るく温かい光となって存在する母親。
お嬢様にとっての最も深い学びは、母としての浜田様の背中を日夜見ていることです。

そんな温かい母親で居続けられるよう、お嬢様に素直な気持ちを話してみてはいかがかと存じます。

以上、2つの点からご返信をさせて頂きました。何かのお役に立てましたなら幸いです。なかなか一歩を踏み出せない、行動を起こす事に不安もあるかと思います。そんな気持ちや、他にも何か確認したいこと等ございましたら、またどうぞメールを下さいませ。

 

<相談者からの返答>
この度はご丁寧な回答をありがとうございました。いただいたメールを何度も読みながら、私なりに考えておりました。
お金の話は人に相談しにくくて、これまで一人で悩んできましたが、
こうしてご丁寧に答えていただけると、それだけで少し気持ちが明るくなります。

まずは、娘と話し合ってみます。ちょうど、夏休みに入りましたのでこの機会に話してみますね。
主人については、老齢年金の繰上げも考えてみます。主人とも話し合いが必要ですね。
この1、2ヶ月、家族と向き合うことを考えてみます。その上で、また相談が出てきましたら改めて連絡させてください。
本当にありがとうございました。