今後の介護方針について

※掲載している事例はこれまで受けた相談を元に創作した内容です

相談内容

こんにちは、北島と申します。脳伷塞の既往があり片麻痺が残る父親(65歳)の生活のことで相談があります。

母親が在宅介護していますが、主介護者の母親(59歳)とはほとんど口をききません。

父は、2年ほど前から、ぼーっとする、言動がおかしくなる症状が現れはじめました。
アルツハイマー型認知症と診断されました。
煙草を一日2箱吸います。

母一人では面倒をみきれないと近所に住む親戚と相談してデイサービスを利用することを計画しています。
昔から母は愚痴が多く少し苦手です。

状況を時々にしか聞かないので、全体的な介護の方針を誰に聞けばいいのか分からずにいます。
父に趣味のカメラをさせてあげたいと思っていますが、片麻痺が残るので周りから難しいのではないかと言われています。

父は、好きなことができない不満を周囲にあたる時があり、
私は何となく気持ちが分かるので見守るようにしていますが、
母は、「こんなに気を使って看病しているのに」と落胆してますます距離を取っているようです。

私は両親にどのように接したらいいのでしょうか。

回答メール

こんにちは。お父様の容体を心配されながらも、介護されるお父様と介護するお母様との関係についてのご相談とお見受けしました。

体を自由に動かせないお父様もさることながら、傍らで日々の看護をするお母様のご苦労も多いと思います。
そして、北島様は遠方だからこそ手を差し伸べにくく、そのご両親のご様子に心を痛めていることと察します。

まずは、現在のお父様の状態をしっかり把握されてみてはいかがでしょうか。
状況が分からないと、対策も立てにくいと思います。

また、お母様の介護負担について客観的に見てみる必要を感じています。身内として捉えると、どうしても当事者のお父様への労りのお気持ちが増え、介護者としてのお母様への不満が出ている可能性もあるかもしれません。

お父様の容体については今の主治医をはじめ受診している病院に状況を聞くことで、必要な情報を得ることができます。
大きな病院でしたら、医療ソーシャルワーカーがいると思いますので、そちらに相談することも可能です。
また、麻痺が残り、認知症と診断され、ディサービスも考慮しているとのことですから、既に介護保険申請している可能性がありますね。

その場合、担当のケアマネージャーがいるかもしれません。この辺はお母様に聞いてみるのがいいと思います。
もし担当のケアマネージャーがいらっしゃるようでしたら、そこに問い合わせることで今の状況が分かります。

既にご存知かもしれませんが、ここで少しアルツハイマー型認知症についてお伝えします。
認知症といっても様々なタイプがあり、その中でもアルツハイマー型認知症はもっとも多い認知症のタイプです。
症状としては、記憶障害(物事を覚えられなくなる)、判断能力の低下(抽象能力・判断力が低下する)、見当識障害(日時・場所・人がわからなくなる)、その他の行動・心理症状(BPSD)がみられます。

体力的な低下がなくても判断能力が下がるため、コミュニケーションが取りにくくなり、危険も増えるため目が離せなくなり、介護者の負担が非常に大きくなりがちです。
また、お父様は片麻痺もあり、余計に日々の介護が大変だと思います。

こうした中で、時に思い通りにいかずに周囲に当たったり、自分の体にも良くなく、火の元も心配なタバコを一日2箱も吸うとなると、そのお父様の介護を一手に引き受けていらっしゃるお母様の負担感は相当に大きいと言えます。

まずは、一度、お母様に代わって例え数日でも介護をお手伝いしてみではいかがかと思います。
お母様の大変さや不満が実感できるかもしれません。
そして、その中でお父様への適切なケアの方法や、お母様との接し方も新たに見えてくるのかもしれません。

もし、介護保険の申請がしていないようでしたら、秋田市のHPには、介護保険申請の仕方として次の案内があります。
「介護サービスを受けるためには、要介護状態に該当するかどうか、さらに介護の必要度(要介護度)を判定するため、市に要介護(要支援)認定の申請をする必要があります。認定の申請は指定居宅介護支援事業者、地域包括支援センターに代行してもらうことができます。」
まずは、掛かりつけの病院に「指定居宅介護支援事業者」を紹介してもらうのが可能か、聞いてみてください。

または、下記には秋田市内の地域包括支援センターのリストを貼ります。
ここからお近くのセンターを探して、お電話または直接の訪問で介護申請について相談してみてもいいかと思います。

秋田市内地域包括支援センター一覧
http://www.pref.akita.lg.jp/uploads/public/archive_0000002202_00/siencenter.pdf

遠方に住まわれて心配なお気持ちを察しながら、お母様のお気持ちを汲んでほしいという意見を伝えたことが、お気持ちに沿っていないのかもしれないと少し申し訳なくすら思っています。
ただ、やはりお父様のケアの中心者はお母様であり、そのお母様を周囲の皆で応援するという体制が今後の介護を上手く乗り越えていくための秘訣ではないかと考え、その点をお伝えしたく思った次第です。

以上、少しでもお役に立ちましたら幸いです。
また何かありましたらいつでもご連絡ください。